新入社員研修について考える
はじめに
最近は新入社員の研修を任されることが多くなってきました。
新入社員の中には未経験の方もいればプログラミングスクール出身の方など様々な人がいます。
これからも研修を行うことがあると思うので今後自分がいつでも見返せるように、研修で取り組んだこと等をまとめました。
研修の目的
OJT研修を始める前に最低限の基礎知識を身につけてもらい、現場配属後スムーズに研修を行えるようにすること。
やったこと
僕の部署では主にAWSを用いたインフラの運用保守を行なっているので
- 一般的なITスキル
- AWSに関する基礎知識
- 自社サービス内容に関する理解
- インシデントもしくはイレギュラー発生時
こういった内容を2週間(80時間)かけて教育しています。
一般的なITスキル
- ITの基礎
- Linuxの基本コマンド
- ネットワークに関する最低限の知識
AWSに関する基礎知識
- オンプレとの違い、クラウドを使うメリット
- 責任共有モデル
- AWSの主なサービスに関して
- VPC(説明するのが難しいので事前に資料を用意しておくこと)
- EC2
- SG
- ELB
- RDS
- CloudWatch
- IAM
- AWSサポートに関して
- 問い合わせ時の注意点
- 上限緩和申請
- 暖気申請
自社サービス内容に関する理解
- MSPとは
- 自社で発行しているホワイトペーパーの内容を解説
- SLA/SLOについて
- アラート検知してから報告するまでの流れ
- どういったツールを用いて業務を行なっているのか
- 顧客からくる依頼内容について
- スケールアップ/ スケールダウン
- スケールイン/スケールアウト
インシデントもしくはイレギュラー発生時
- インシデントは何か
- どういった所でインシデントは発生しやすいのか
- インシデントを発生させないための工夫
- もしインシデントを起こしてしまったら
- AWS等のサービスで大規模障害発生時の動き方
研修をやる上で気をつけているポイント
理論的に説明するように心がける
例えばスケールアウト/インというものはそれぞれ
こういった意味を持っているのですが、未経験者の多くはこれを反対に理解している人が多いです。(アウトという言葉からなんとなくインスタンスを減らすような意味を連想してしまうから…?)
こういったことを教育する際、スケールアウトは台数を増やすこと、スケールインは台数を減らすこと、というようにただ記憶させるような教え方はしないように気をつけています。
その理由としては入社したての頃は研修で大量にインプットが行われるため、全てを記憶してもらうようなやり方で教育を行うとパンクしてしまい、知識が定着しない可能性があるからです。
上記の例ではアウト/インの語源に関してまず教え、身近なものの例を使っ説明すると良く理解してくれます。
例)
- スケールアウト
- "アウト"は「外に」といった意味がある
- ズームアウトの"アウト"と同じ意味
- ズムーアウトすることで画角が外側に広がる -> 台数が多くなる
学んだことをアウトプットしてもらう
何度か説明しても理解してもらえない時はメモ帳に今自分が理解していることを書いてもらうようにしています。
これをする理由は、相手が今どこまで理解していて何が分かっていないのかを教育者側が理解するためです。
メモ帳にアウトプットしてもらったら足りていない知識をインプットさせ、その内容をメモに追記してもらいます。
こうすことで知識の整理が行われ内容を理解してもらいやすくなるのでおすすめです。
難しい内容はを2日間に分けて説明する
難しいことを一発で理解してもらえることはなかなか少ないです。
なのでそういった内容を教える時は1日目で広く浅く教えて、2日目に難しく感じたところをヒアリングし、その箇所に関して重点的に教えていくようなやり方を行いました。
2日間に分けることで1日目で教えた内容に関して相手が何を理解していないのかを分析することが出来るのでおすすめです。
質問されたけど自分には分からないものは素直に分からないと言う
研修をする上で自分が全てを理解していないといけないと思いがちですが、その必要はないと僕は考えてます。
むしろ自分が分からないことにも関わらず、てきとうな内容を教えてしまうほうがいけないことです。
分からない時は素直に分からないと言い、後日自分で調べるかもしくはその分野に関して詳しい人を呼ぶ等をするべきです。